2010.06.24 Thursday
「しあわせの王子」 あらすじになったらおしまい。
息子:[★★]
母:[★★]
オススメ:[中学年][高学年]
ページ数 【31】
合計冊数【652】
蔵書状況:
我が家には年末年始恒例のゲーム「桃太郎電鉄」に、「しあわせの王子」という出目?があります。 これをひいてしまうと、自分の財産を全てどこかにもっていかれてしまい、一文無しになってしまうという恐ろしい出目なのです。
息子はしあわせの王子をしりませんでした。(読んでないから)それで、これがダジャレの出目だともわからない様子でしたので、つい図書館で見かけて 借りて帰って来たのがこの本なのです。
ところが、読み直してみると、ぜんぜん面白くない。
まさに、
「気の毒な人に王子は自分の持てるものを全て渡してしまい捨てられ、その手伝いをした燕も死んでしまいました。」
という話で、子どもの頃、こんな思いで読んだっけ? あの時はあのときで印象に残った話しだったのに、どうして印象に残ったのだろう。それよりも、この話、何が言いたいんだろう? と巻末をみて、「(ワイルドは)キリスト教の影響をうけ、愛と自己犠牲をテーマにした作品が多い」とあるので、 へえ〜。愛と自己犠牲か。この本を読んで感動しないのは、私の心が汚れきってしまったからか。。と思ったのですよ。
「 ”散文の詩”と呼ばれるという美しい文章で書かれている」と説明にあったので、では翻訳のせいでこんなに感動が薄いのか?とついネット検索してしまいました。 でも、私はその”散文の詩”が鑑賞できるような英語力があるわけではないのですが、どうにも疑問で一杯になってしまったのです。
The happy prince Oscar Wilde(リンク)
こちらを読んでみて、私のように英語力のないものでもこちらの方がずっと面白く余韻が残ることに驚きました。 この絵本で省かれてしまった部分にちりばめられた出来事がいかにこの物語に厚みをもたせているのか。 私が子どもの頃に読んだのは絵本ではなく、これを翻訳したものだったようです。
読み手は本来はつばめの動きを物語の中で追い、動けない王子の代わりに町の人々の様子を知るにつれ、つばめの気持ちに同化していくのだと思いますが、その部分が ただ、「宝石や金箔を運ぶ」ということだけになってしまっているので、さっぱり燕の気持ちが理解できず、物語全体の感動が損なわれてしまっていると思いました。
最後の結びも この本の文章では納得できません。
ということで、この絵本、私としては大変残念です。これを読んで「しあわせの王子」だということになるとなんだか納得できないなあ。ですから、あまりお勧めできません。 ごめんなさい。
王子の像と町の景色は奇麗なんですけれどね。
漢字にはふり仮名がついています。見開きに120文字程度です。
母:[★★]
オススメ:[中学年][高学年]
ページ数 【31】
合計冊数【652】
蔵書状況:
しあわせの王子 (いもとようこ世界の名作絵本) | |
オスカー ワイルド いもと ようこ Oscar Wilde 金の星社 2007-02売り上げランキング : 89537Amazonで詳しく見る by G-Tools |
我が家には年末年始恒例のゲーム「桃太郎電鉄」に、「しあわせの王子」という出目?があります。 これをひいてしまうと、自分の財産を全てどこかにもっていかれてしまい、一文無しになってしまうという恐ろしい出目なのです。
息子はしあわせの王子をしりませんでした。(読んでないから)それで、これがダジャレの出目だともわからない様子でしたので、つい図書館で見かけて 借りて帰って来たのがこの本なのです。
ところが、読み直してみると、ぜんぜん面白くない。
まさに、
「気の毒な人に王子は自分の持てるものを全て渡してしまい捨てられ、その手伝いをした燕も死んでしまいました。」
という話で、子どもの頃、こんな思いで読んだっけ? あの時はあのときで印象に残った話しだったのに、どうして印象に残ったのだろう。それよりも、この話、何が言いたいんだろう? と巻末をみて、「(ワイルドは)キリスト教の影響をうけ、愛と自己犠牲をテーマにした作品が多い」とあるので、 へえ〜。愛と自己犠牲か。この本を読んで感動しないのは、私の心が汚れきってしまったからか。。と思ったのですよ。
「 ”散文の詩”と呼ばれるという美しい文章で書かれている」と説明にあったので、では翻訳のせいでこんなに感動が薄いのか?とついネット検索してしまいました。 でも、私はその”散文の詩”が鑑賞できるような英語力があるわけではないのですが、どうにも疑問で一杯になってしまったのです。
The happy prince Oscar Wilde(リンク)
こちらを読んでみて、私のように英語力のないものでもこちらの方がずっと面白く余韻が残ることに驚きました。 この絵本で省かれてしまった部分にちりばめられた出来事がいかにこの物語に厚みをもたせているのか。 私が子どもの頃に読んだのは絵本ではなく、これを翻訳したものだったようです。
読み手は本来はつばめの動きを物語の中で追い、動けない王子の代わりに町の人々の様子を知るにつれ、つばめの気持ちに同化していくのだと思いますが、その部分が ただ、「宝石や金箔を運ぶ」ということだけになってしまっているので、さっぱり燕の気持ちが理解できず、物語全体の感動が損なわれてしまっていると思いました。
最後の結びも この本の文章では納得できません。
ということで、この絵本、私としては大変残念です。これを読んで「しあわせの王子」だということになるとなんだか納得できないなあ。ですから、あまりお勧めできません。 ごめんなさい。
王子の像と町の景色は奇麗なんですけれどね。
漢字にはふり仮名がついています。見開きに120文字程度です。
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