息子:[★★★]
母:[★★★★]
オススメ:[3〜5歳][低学年][中学年]
ページ数 【37】
合計冊数【590】
蔵書状況:
私は昆虫はたいてい大丈夫。昆虫でなくても、クモも平気だし、許容範囲は大変広いのです。でも、唯一苦手なのはゴキブリ。ムカデよりも怖いってどういうこと?なのです。 ゴキブリを発見したら気持ち悪くてスリッパでたたくなんて絶対ムリ。
さてさて、このゴキブリちゃんは、表紙から見るとずいぶんとかわいいお顔をしています。そうして、頑張りやなんですよ。「今の自分を見つめなおして、頑張って新しい自分を手に入れようとする。」まさに生き方のお手本のような神々しいゴキブリちゃんです。
ゴキブリは世間で言われているほど不潔ではないと聞いたことがあります。
ゴキブリの功罪(社団法人農林水産技術情報協会)のページによると、
ゴキブリは本来清潔な昆虫で、皮膚からは殺菌作用のあるフェノールやクレゾールを分泌しているという最近の報告もあります。
とのこと。ゴキブリを触ったことのある夫の話によると、意外にさらさらしていて嫌な感触ではないのだそうです。
でも、そう聞いても嫌いなものは嫌い。なぜ嫌いなのかと考えてみると、なによりもゴキブリには勝てないと思ってしまうくらいに脅威を感じているからだと思うようになりました。 わずか数ミリの隙間があれば入りこめる体を持ち、その運動能力たるや目を見張る素早さです。人間は太刀打ちできません。 おまけに、なんでも食べます。石鹸さえ食べると聞いたことがありますが、上記に紹介したページでも、
塩以外の人間のたいてい食物は何でも食べ、食性は腐敗したものから人糞にまで及び
とあります。それに、彼らは人間よりも昔から今とほとんど変わらぬ体でこの地球に住みついています。ゴキブリは約3億8千年前の化石もありますが、人類の歴史は500万年前からと言われているので、到底比較できないほどの長さです。
何よりもその生命力にも目を見張ります。たぶん、嫌われるのは、ゾンビのような生命力も理由の一つにあるのではないでしょうか。子どものころに、聞いた話は今でも思い出せます。 たたかれてつぶれたゴキブリをそのままにしておくと翌日にはいなくなってしまうと。だから、死骸はすかさず焼くか、頭をつぶしておかないとダメだと。 子ども心に衝撃的な話でした。(本当でしょうか?)繁殖力も並外れているのは衆知のことですよね。丁度好い質問があったのでこちらにもリンクしておきます。
「ゴキブリとねずみは、どっちが繁殖力が強いのですか。」
と、理由を一つ一つ挙げてみると、私がゴキブリが苦手な理由は、どう考えても、彼らに脅威を感じているからであると結論付けられるように思います。
さて、それほどまでにゴキブリが苦手な私なのに、吸い寄せられるようにこの本を手にとっていました。 どうして?と考えると、脅威を感じているからこそ、敵を知りたいと思うからに他ならないからなのではないかと思います。 なんせ、ゴキブリの化石をわざわざ見に行ったことがある私です。(本当に今のゴキブリと羽の感じもそっくりな化石でした。)
この本のゴキブリちゃんは、上で書いた現実から一気にはなれ、とてもがんばりやです。上でゴキブリが嫌いな理由をつらつら書いてしまった私ですが、もし本当にゴキブリたちがこんな風だったらどうでしょう。意外に許せる?かな?? こうやって本になってみると、嫌いな理由の中には偏見が多いよね。。などと考えてみたりしてしまいます。
でも、やっぱり私はゴキブリは苦手。だって、コオロギでさえ、「頭が大きくて、多少立体的だけれど、基本はゴキブリと似ているな」と思うだけで、あまり気持ちよくコオロギが見られなくなってしまう私ですから。
ひらがな、カタカナ漢字。漢字は「嫌われる」など比較的難しい字も使われています。ふり仮名はあります。カタカナにはふり仮名はありません。1ページに20文字前後です。
おまけ:
ゴキブリ(森の生き物たち)によると、
ゴキブリは非常に生命力が強いと言われています。
絶食や水不足に対する耐性は前にも書いた通り非常に優れています。
また再生能力にも優れており、足や触覚などが取れてしまっても、再生する事が出来ます。
またゴキブリには脳が頭と腹部に2つ存在しており
(脊椎動物の脳ほど発達していません。脳というよりは神経の塊、と言った方が正しいかもしれません。)
頭部が破損しても生きていく事が出来ます。
もし、頭を切り取ったとしても出血さえ止まれば、そのまま活動を続ける事が出来るのです。
最も頭がなければ餌を食べる事が出来ないので、やがては餓死してしまいますが・・・
また、ゴキブリは放射能に対しても非常に強く、
人間の致死量の16倍もの放射能を受けても生き抜く事が出来るそうです。
また、毒餌に対してはゴキブリは味覚が鋭く異常を感じると吐き出してしまうため、
味が判らない毒を用いなければ意味がありません。
更にゴキブリは味の好みがころころと変るため、毒餌の味もまめに変えてやる必要があります。
そこまでやったとしても、薬品に対する耐性の取得が早く、すぐに効かなくなる事が多いのですが・・・
ここでも彼らのスーパーぶりが書かれています。
このページでは、ゴキブリの果たしている役割についても書かれていますが、その内容は上のリンクからご覧ください。
まとめ部分には以下のような書き出しで書かれています。
ゴキブリというのは確かに非常に不愉快で人間にとって、非常に害の大きな虫です。
しかし、それはほんの一部の人家へ侵入したゴキブリだけであり、
ほとんどのゴキブリは人間とは関わりなしに生活を営んでいます。
私としても、ゴキブリくんたちが、完全に外で暮らしてくれるのであれば、まったく他の昆虫と同じような目で彼らを見ることができると思います。 つまりは、やっぱりテリトリーを侵されるという思いが本能的にわくからこそ苦手なのかもしれませんね。
後日、これを見つけて読んだ息子は、「ずいぶんかわいいねえ」なんて言っていました。(^^)